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不便なのに惹かれるオープンカー [車・バイク]

船、飛行機、クルマ、オートバイ・・・
乗り物はかつてすべて雨ざらしで、天気に左右されるものだった。
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雨が降ればずぶぬれに、風が吹けばあおられ、雪が降ればスタックする。
全天候に対応できる乗り物はかつて憧れだったのだ。

屋根が付き、ガラスのウインドウが付き、ワイパーが付き
2輪駆動から4輪駆動への駆動形式が進化し、
ABS、ESCなどの電子制御デバイスが発達し
サスペンションも性能があがり、よりフラットライドに
溝付きラジアルタイヤやスパイクタイヤ、スタッドレスタイヤ等路面変化への追従性が高まった。

より便利に、より快適に。
もちろんそれが求めていたことなのだが、それとともに失ったものもある。
乗り物なのに、居室化してしまい、移動している実感がどんどん削がれてしまったのだ。

移動の実感とは、自然との一体感だ。
風の速さ、日光の温かさ、土地の匂い。
オープンカーはそれを感じることができる。
だから、圧倒的に不便で不快なのを承知で買う人がいるのだ。

バイクも同様に感じることはできるが、基本的に一人で乗る乗り物な上に
むき出しになっている分、身体的な負担がより大きい。

移動の実感と快適性のバランスを見ると、オープンカーは最も走る喜びを満たしてくれる乗り物だ。
様々な理由で所有できないなら、レンタカーでもいい。
人生で一度は乗ってみよう。



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エンジンレイアウトと車の形 [車・バイク]

最近ではだいたい経済性と居住性能、走行性能のバランスでエンジンレイアウトと駆動方式は決まってきたが、この2つは結構密接な関係がある。
イノベーションを起こした車というのは大抵、構造から革命を起こしているのだ。
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FFならばミニ。
パワーユニットと駆動系をフロントにまとめることで室内最大化を目的としているので、
形がそれまでのものと大きく異なっていた。
低床かつオーバーハングが極端に短く、10インチの小径タイヤのため、
小型犬のような愛らしい外観だがゴーカートのようなハンドリングという個性的な車になった。

RRならばポルシェ911。
パワーユニットと駆動系をリアにまとめることで4つのタイヤそれぞれの役割を分け、加速時には駆動輪であるリアに、減速時には4輪全てに同量に面圧がかかるように考えられている。そのため、リアのアプローチアングルが長い。
加えて低重心の水平対向エンジンで圧倒的な加速性能を誇る。
なのに丸目2灯のカエルのようなファニーフェイス、リアに流れる女性的なラインで
シルエットをみるだけで911とわかる独特のスタイリングを持っている。

ミッドシップならフィアットX1/9
エンジンを車の重心近くにレイアウトすることで、加速・減速・コーナリング時に
よけいな慣性力が掛からず、あらゆる運動性能が高まる。
しかし最もかさばるエンジン回りが車の一番おいしい場所にあるため、居住性や積載性は
ないに等しい。
鬼才ガンディーニがベルトーネ時代にデザインした傑作のスタイリングに
ジャンパウロ・ダラーラがセッティングをしたという奇跡の車。

フロントミッドシップならエスティマ。
ミニバンで低重心を達成しようとエンジンをフロントアクスルより後ろに積んだ
レイアウトを取った。
ミニバンと言えば鈍重なコーナリングで外乱に弱い、という宿命を覆した車で
それまでのボンネットが突き出していた野暮ったいスタイルではなく
「天才タマゴ」と自称していたくらい特徴的なスタイリングをしていた。

しかし、今ではスペース効率からFFがかなりの割合を占め、次にAWD、FRと続き
それ以外のレイアウトは風前のともしびだ。

そのうち電気自動車になれば、エンジンもトランスミッションもドライブシャフトも
全部不要になって、クルマの形はレイアウトに囚われなくなるのだろう。

なんでも自由というのは良いようでいて、実はあまり独創的ではなくなる。
制約があるからこそオリジナリティが出る。
そういう意味では、もう車に独創性は不要なのかもしれない。



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タグ:レイアウト


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ステッカー・エンブレムと時代 [車・バイク]

最近の車と1980年代ごろの車を見比べて気づいたことがある。
外装から文字が減っているのだ。
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「TURBO」「DOHC24V」「LIMITED」などなど車名に加えてグレード名や最新機構など、かつては車の側面にもデカデカと描かれていたものだ。

今はもうリアの片隅にメーカーエンブレム、車名、グレード名のみがバッジで貼り付けられるのみ。場合によってはグレード名さえもない。

それはやはり、社会が進化して車を持つのが当たり前になり、様々なレベルが上がってきたからだろう。

技術の進歩でターボ搭載やDOHCにアドバンテージがなくなった
エコ意識の高まりでハイパワーよりエコフレンドリーが競争指標になった
デザインリテラシーが上がり、デカデカと文字を見せることが恥ずかしいと思うようになった

オリンピックの記録のように、クルマも高性能が当たり前になってコモディティ化してしまったのだ。

車はステイタスであった時代、ユーザーはより良いものを手に入れた証明として、外見からわかる特徴を求めた。

目標は2つ。豪華か、スポーティかだ。

大きいサイズのボディ、大きい排気量のエンジン、大径のタイヤ、派手な空力付加パーツ、豪華な内装。

そうすると、性能が高いのに外見からわからないものにはユーザーはカネを払ってくれないので、ステッカーやバッジなどで文字表記することで誇示した。
一番有名なのは、BMW2002ターボのリップスポイラーに鏡文字で「TURBO」と表記したことだろう。先行する車のバックミラーで見ると正しく見えることから、「高性能車だ、見えたら道を譲れ」という意図があったようだ。
量産車世界初だったからかもしれないが、かなりあざとい手法ではある。

現代の技術なら1.4Lターボでマルニターボをを超えられるだろう。しかもより安全で、燃費ははるかに良いのだ。

今はクルマが環境に悪いとか、高くて必要がないとか逆風の時代だが、改めて昔の人から比べたら信じられないくらい良いクルマを安価に手に入れられるようになっていることを忘れてはいけない。
もっとクルマに乗って、楽しい生活を満喫すべきだと改めて感じた。



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